第一話『弔うべきは我が不幸』

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その光景を見ていた二人は呆然としていた、何故なら……。 あの男に少しだけ、希望を持ってしまったからだ……。 (終わった……完全に希望が無くなった……) 茜が撃ち落とした瞬間、二人の顔は絶望に変わり、何とも言えない。 それよりもアイツの悲惨さに、軽く同情してしまった。 「なぁ、誠二……」 「何だ、ミト?」 「俺等は此処で果てるんやろか……?」 ミトは涙を流しながら誠二に聞く、志都美の新術で場はまさに地獄に変わっている。 誠二は無言で目をそらす。 「終りじゃあ!!もう、死ぬんじゃああああ!!」 「お、落ち着け……強敵よ」 冷静さを失い、泣きわめくミトの後ろにほふく前進で希望がやって来た。 「い、生きとったんか……ジョニー!!」 「ふふふっ……あの位では死なないさ!!」 「と言うかどういう関係だ、お前等?」 「その話は後だ、神楽坂ボーイ!!」 ジョニーは立ち上がり、持ってきたナイフで誠二の縄を切った。 磔状態から抜け出した誠二は、手首を擦ってジョニーに礼を言う。 「助かったよ、ジョニー」 「礼はいらないぜ!!」 「と言うよりどうやって入ったの?」 誠二には気になった、空間凍結されているのにジョニーは居る。
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