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通学路での殺気から逃れた誠二は、ほっとため息をついて席に座っていた。
「あぁ~……朝から何だよ、あの感じ……」
「どうしたの神楽坂君?朝から疲れてるみたいだけど……?」
心配してか、隣に座っている生徒が話しかけてくる。
彼女は坂上 陸菜。
このクラスの風紀委員で、学年トップクラスの学力を持つ強者。
以上が誠二が坂上に持ってるイメージ、実際は少しドジで可愛らしい子である。
「坂上には分かんないよ……多分……ね」
「大丈夫?私で良かったら相談に乗るけど……?」
坂上のショートカットの髪が揺れて、誠二の鼻にリンスの香りが漂ってくる。
(あっ、良い匂い……癒されるなぁ……坂上には)
「坂上、お前の気持ちだけ受け取っとくよ」
誠二は笑ってそう告げた。
そうだ、こんなに良い子を巻き込んではいけない……と誠二は心の中で思った。
「うん、でも無理せずに困ったら相談してよ」
「ああ、分かっ………」
『グッ………モーニンッエブリワンッ!!友よ――ッ!!』
いきなりメガホンで校内に轟く程のの声で、教室に現れた奴が誠二のもとにやってくる。
「おはよう、親友に坂上さん……今日もお美しい」
「ありがと……京屋君」
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