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少年には他にも好きなモノがあった。
クリスマスと誕生日の月にだけ食べられるケーキ、ずっと使っているボロボロのバスケットボール、そして父のように慕う神父と姉のような存在のとある少女。
教会の他の仲間も大切だったが、その二人は特別だった。
神父はいつも優しく皆を導き、町の人々からの人望も厚かった。
少女は孤児達の中で一番の年長者で歳の頃は12・3。
孤児故に正確な年齢はわからなかったが、便宜上は13歳とされていた。
白い肌に美しい金髪、エメラルドのような碧眼がよく映える。利発な少女は少年だけでなく孤児達皆の姉であり、母だった。
少年はいつしか少女に淡い恋心を抱くようになっていた。
しかしそれは秘めた恋。
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