世界

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教会がすなわち世界と同義である少年にとって、もし彼女に拒絶されたらと考えると、とてもじゃないが告白なんてできなかった。   それどころか話しかける事さえままならず、その年頃の多くの少年達と同様に、バカなイタズラをして気を引くのがやっとだった。       そんなある日、 夕暮れの廃工場。   そこは近所の子供達の秘密の遊び場。 昔誰かが作った手製のバスケのゴールでシュート練習をする少年。 3ポイントシュートがネットだけを揺らしパシュッと気持ちのいい音を立てる。   「わぁ、スゴイ!」   振り返ると少女が立っていた。 瞳をキラキラさせて拍手している。
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