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「鈴木さん。こちらこそよろしく」
鈴木さんは、パタパタと手を振り
『あ~、《みのり》で良いよ。なんか鈴木だと沢山いそうでさぁ』
「じゃあ、みのりさん。
……えっと、クラス分けとか無いの?」
みのりは、やれやれと言う感じのリアクション。
『田舎の学校だもん…一学年に一クラスよ。
あ~でも、昔は沢山の生徒が居たみたいね。
今年卒業したお姉ちゃんの時はクラスが二つ有ったみたいだし』
なるほどなぁ、少子化ってやつかな?
この町じゃ、親父の働くマツシマ自動車の工場しか無いもんなぁ。
先日入学式が終わり、今日は始業式だ。
教室に入ると…やっぱ見慣れない生徒達が…
そりゃそうだ。俺は先週この町に来たんだから…
まさか、幼稚園の頃だけ知ってる奴なんて居ないさ。
(ポンポン)
……肩を叩かれたようだ。
見知らぬ男子が何か言いたそうだ。
『え~~~…もし、間違ってたら謝る!
もしかして…ケンちゃん?』
……俺をケンちゃんと呼ぶこの男子は………
…知らねぇよ。
『僕だよ!松嶋 信次だよ!』
……知らん。
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