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すると、驚いたことに、破り取られた部分がものの見事に一致した。
それを見た岸國をはじめ竜彦たちは、あんぐりと口を開けて目を点にした。
「やっぱり……どこかで見たような感じの紙だと思ったら…」
と、岸國は心底感動するように何度もうなずいた。
「ちょ、ちょっと貸してもらっていいですか!?」
竜彦はそう言い終わらないうちに既に腕を伸ばして、岸國の手から手帳を奪い取っていた。
呆気にとられる岸國をよそに、竜彦は手帳の1ページ目から順に黙々と目を通し始めた。
………なるほど、大体掴めてきたぞ。
竜彦がそう確信を得た頃、同じく手帳を覗いていた蓮が尋ねてきた。
「何が書いてあるの?」
「多分……これは岸國さんのお父さんたちが由羅島について調べあげた内容を書き留めたものじゃないかな。そうですよね、岸國さん?」
癖のように眼鏡を掛け直しながら、岸國はコクリとうなずいた。
「僕の父が楠伊さんたちと共同でやってたものらしいんです」
なるほど、当時の考古学会のメンバーたちが調べていたというわけか。
となると、その中心人物だった兼谷 尚次も当然それに関わっていたというわけで……。
………!!
突然、竜彦の頭の中にある仮定が思い浮かんだ。
手帳の破り取られた最後の数ページ……。
そしてそれを所持していた兼谷……。
もしかすると……。
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