第八章 勝海と晃

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だが体が思うように動かない勝海は防戦一方になっている。 しかし神谷の攻撃は激しく、さすがに勝海の両腕も限界に達していた。 「…タフな野郎だ!…くたばれ!」 神谷が棒立ちする勝海に近づき、勝海のみぞおち辺りに向かって後ろ回し蹴りをしてきた。 勝海は避ける事が出来ずにモロに当たってしまった。 ガシッ 「…なっ」 勝海は倒れそうになった体を神谷の足を掴みもとに戻した。 「…てめぇ離しやが…」 「…俺は…おめぇらなんかに負けられねぇんだよ!」 勝海が神谷に渾身の力を込め、あごにアッパーを喰らわす。 神谷の体が少し宙に浮いた。 そこに、腹目掛けもう一撃! 神谷は地面に横たわり失神していた。 「…くそ…油断した。…すぐ気を抜くのは俺の悪い癖だな…。」 勝海は頭をかきながらボソッと言った。 すると回りにいた不良共は… 「…嘘だろ!神谷さんがやられた…」 その一言に辺りがざわめき初め、いきなり蜘蛛の子を散らすように逃げて行く。 勝海は神谷を見ながらこう言った。 「…こいつそんなに強かったのか…?…あっそうだ、竜也とかの事忘れてた!晃は…」 周りを見てみるがやはり居ない。 とりあえず勝海は、竜也の病室に向かって行った。
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