記憶に御座いません

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『名前はどうする?』  眉唾だと決めつけて店長の話を受け流していたアタシに、琴美が耳打ちをしてきた。 『名前…?』 『誰が来るか分からないんだから、源氏名じゃないケドお店での名前決めないと』  …まぁ、来て欲しいとも思わないわよね、こんなマニアックなお店に。アタシは辺りを見渡した。 『ここにいる人、皆源氏名持ってるの?』 『うん。…で、私達は名前考えたんだけど…』 私達という単語に疑問を感じつつ次の言葉を待つアタシ。第一、平凡な名前じゃあ被ったりするんじゃないかしら。なんて思ってみたりもする。
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