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「見たまえ、園子。君の為にこんなバイト先を用意してあるんだ」
アタシの背後から一冊の雑誌が差し出された。広げてあるのは短期、高収入のページだった。
「…何これ。ツン…デ、レ喫茶⁉」
驚いて後ろを振り返ると、二人はしてやったりな表情を浮かべていた。
「園子、ゴメンね。実はそこ、ゥチの兄さんの先輩が始めたらしくて、緊急でオープニングスタッフ募集したんだけど…丁度三人だけ欠員が出たの」
顔の前で両手を合わせて拝む様なポーズで言い訳をする琴美。…まぁ、今朝の情報も仕入れてくれたんだから、手伝ってやらない事もない。
「し…仕方ないわねぇ。他ならぬ琴美の頼みだし」
「園子…」
由紀乃は何処か超越した様な、表現出来ない顔付きでアタシを見ている。
「い…言っとくけど、欠員が補充されれば辞めるんだからね?ただのお手伝いなんだからっ」
「良かったぁ。絶対嫌がられると思ってたから、安心したぁ。じゃあ、放課後ね」
安堵の溜め息を吐く琴美と、おそらく妄想の世界に旅立ってしまっただろう由紀乃は、予鈴が鳴ると同時に各々の席に戻って行った。
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