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ジリリリリリッ~
部屋中の目覚まし時計が鳴り響く。
だいたい十個はあるだろう。
そんなうるさい部屋の中でも満面の笑みで寝てる男。
名前は高木守。
高校一年生。
普段はだらしないやつ。
でも根はしっかりしてる。学校ではクラスのムードメーカー的存在。
守はやっと起きて部屋中の目覚まし時計を一個ずつ止めていった。
そしてゆっくりとベットから出て一階におりた。
一階には誰もいない。
いつもの事だ、守の母は守が小さい頃に他界していて、父はそれから守を男手一つで育てている。
守はいつものようにTVをつけて父が用意していった朝ご飯を食べた。
「ピーンポーン」
とチャイムが鳴った。
時計を見るともう7時50分だった。
「やっべもうこんな時間かよ。」
「ピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーン」
「うっせーな!何回も鳴らすなよ!」
と守は少し逆ぎれをした。
「なーにその態度。せっかくむかえに来てあげてるのに。返事がないから鳴らしただけじゃない。」
と怒っている女。
名前は藤崎菜々。
守とは幼なじみで、しっかり者で、学校では皆から頼られていて、生徒会の会長をやっている。
「守~先行っちゃうよ?」と菜々がせかす。毎日こんな感じだ。
「菜々、待て!もうすぐだから。」
と守が急いで制服に着替えて鞄を持って玄関から出てきた。
「も~遅い!」
「わりぃわりぃ」
と守が頭をペコペコ下げた。
いつもの朝...
それも今日まで...
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