姉貴と彼女①

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「ところで、光流くんは?」 後ろ手を組んだ唯華が、一歩近づく。 「な、何が?」 「光流くんは私の事、認めてくれるの?」 俺は壁と唯華の間で戸惑った。唯華の体が俺に触れそうだ。 「わ、分かった!言うから、取りあえず離れてくれ!」 「……な~んだ」 唯華は少しガッカリして、俺から一歩離れた。ふぅ…。 「光流くんって、お姉さんがいるから、女の子に無関心だと思ってた」 「は?」 「だって女友達多いし、なのに誰とも付き合わないし……」 姉貴のせいでな。 「だから、今のお色気攻撃も、効かないかなって思った」 しれっと言った唯華は、もはや俺の知ってる唯華じゃなかった。 お色気攻撃って……。めちゃくちゃ効いてんですど。 「私の事、嫌いになった?」 「いや、むしろ逆。色々知りたくなった。それより…俺の事、嫌いになったか?」 「ぜ~んぜん!早くお姉さんに会いたいわ」 こうして、姉貴と唯華が顔を合わせる事になった。
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