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私にはお気に入りの靴がある 春も 夏も 秋も 冬も どんな時にも私はその靴を履いていた ある日私は靴が大分傷んでいることに気づいた だから私は数日間だけ違う靴を履いた 靴が壊れてしまうのがいやだった だから少し休ませてあげよう ただそれだけの気持ちだった それから一週間後。私は再び靴を履いた 私の足にぴったりだったはずのそれは、何故だか急にきつくなっていて ほんの一週間だったのに 靴はまるで私を「裏切り者」と責めるかのように 私の足を締め付ける まるで、すべてに存在を拒絶されたようで 涙が止まらなくて 膝を抱えて 私は泣いた
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