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嬉しくてたまらない。あれから教室に戻っても、私は屋上での事を思い出して、嬉しさを噛み締めていた。
思い出すだけで顔がゆるんでしまう。
まるで私の周りにお花畑があるような、幸せいっぱいな感じで。先生に言われた事が、嬉しくてウキウキしちゃうし、照れちゃう。
しあわせぇ。
昨日とは、全然気分が違う。こんなにも先生の一言で世界が変わってしまうなんて……。
きっと、周りの人からみたら、変人だろうって思うくらい、顔がニマニマしっぱなしだった。
でも変人でもいいの、本当に嬉しいんだもん。
「おはよう、あき! あれ? なんか今日は幸せオーラが……、なにニヤけてるの?」
そう、いきなりるいに言われた。
「あっ、おはよう」
と私は笑顔でかえす。
「何かあったの?」
と不思議そうに私をみてくる、るい。
「ううん、なにもないよ、ちょっと気分がいいだけぇ」
やっぱり私はニヤけてるんだな。私って単純。
その時、雄也が遠くからニヤける私を見ている事に、私は全然気が付かなかった。
「あっあき、携帯の番号とアドレス教えてくれない??」
「うん、いいよ」
――私は、この日1日、学校でもバイトでもウキウキで過ごした。
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