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相変わらず薄ら笑いを浮かべたまま、暁はそう言ってあたしの肩を叩いた。
「他人に理解を求めても面倒だし、苦しいだけだよ。自分のことは自分が一番理解してる。そうでしょ?」
首をかしげ、あたしにそう囁く暁がどこか淋しそうに見えたのは、あたしの気のせいだろうか。
二人で食堂の出口に向かう。やっと会話は終了した。あたしが口籠もったからだ。
理解を求めても無駄。確かにそうかもしれない。あたしの気持ちはきっと、あのお姉には解らない。そしてあたしも、お姉のことは一生理解出来ないだろう。
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