疎まれた者の生涯

2/4

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
ある日 ある町 ある家で 一人の男の子が生まれました。 肌が 顔が 全部全部真っ黒な、骸骨みたいな外見の、とっても不気味な男の子 友達なんて できなくて 奇声や罵声をしょっちゅう浴びて 石を投げられる事もある その時彼が思う事 「ああならなくて、よかったなぁ」 ある日彼は捨てられた 周りの冷たい眼や言動に耐えられなくなった家族から 「ごめんね ごめんね」 涙を流し謝る両親に彼が向けて言った事 「今まで どうも 有り難う」 それから大人になったある日 一人の男の子に出会った 顔に布を巻きながら、足取り怪しく歩いてる 気になったから、彼はその子に聞いてみた 「どうして布なんて巻いてるの?」 その子は少し黙った後、ゆっくり布をはずしながらいいました 「僕には目が四つもあるから 皆に化け物って言われちゃうの」 「もったいないなぁ」 彼は続けてこういった 「せっかく人より色んなものをみれるのに、」 自分でも密かにそう思ってたから 彼の言葉に大喜び やっと自分を認めてもらえたのが、堪らなく嬉しい それから男の子は もう顔に布なんて巻かなくなった 誰に何を言われてももう気にならない 自分にしかない ものだから 最後に男の子は笑顔で言った 「ほんとうに ありがとう」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加