147人が本棚に入れています
本棚に追加
-プロローグ-
ザッ…
ザクッ…
「足場わりぃな…」
「文句を言うな」
一面に広がる湿地帯。
地面がヌカルんでいる。
辺りはすっかり暗く、もう夜だ。
リリリ…
リリリ…
姿の見えない虫が、
月明かりしかない夜を飾り付ける。
「こんな夜に…
わざわざこんなことしなくてもよくない??」
「文句ばっし言わないの。たまには素直にいうこと聞く!!
さぁさぁ歩け!!」
「はぃはぃ…」
-まったくどこまで歩きゃいんだよ-
決められ範囲を捜索する。
毎日やっているため、大した変化はない。
むしろ日々変わっているのは、自分たちだ…
ってそんな皮肉は言えない。
それにしても暗い。
幽霊でも出そうな勢いだ。
夜と朝の気温差はかなり激しく、昼間あんなに暖かいのに夜はやたら寒い。
「ぶっ…ぶっ…」
「どした?」
ブッアアァァクッション!!!!!!!!!
ズルズル…
「さみぃ…」
その一言でみんなの足は止まった。
「一旦休憩するか」
最初のコメントを投稿しよう!