-プロローグ-

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ザッ… ザクッ… 「足場わりぃな…」 「文句を言うな」 一面に広がる湿地帯。 地面がヌカルんでいる。 辺りはすっかり暗く、もう夜だ。 リリリ… リリリ… 姿の見えない虫が、 月明かりしかない夜を飾り付ける。 「こんな夜に… わざわざこんなことしなくてもよくない??」 「文句ばっし言わないの。たまには素直にいうこと聞く!! さぁさぁ歩け!!」 「はぃはぃ…」 -まったくどこまで歩きゃいんだよ- 決められ範囲を捜索する。 毎日やっているため、大した変化はない。 むしろ日々変わっているのは、自分たちだ… ってそんな皮肉は言えない。 それにしても暗い。 幽霊でも出そうな勢いだ。 夜と朝の気温差はかなり激しく、昼間あんなに暖かいのに夜はやたら寒い。 「ぶっ…ぶっ…」 「どした?」 ブッアアァァクッション!!!!!!!!! ズルズル… 「さみぃ…」 その一言でみんなの足は止まった。 「一旦休憩するか」
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