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さっきからウダウダ文句ばかり言ってるのは、保科。
ワガママなのも日々一緒にいるおかげでみんなだいぶ慣れてきた。
シュッ…
シュッ…
…シュッボッ…
「おっ…ついたぞ。
保科ぁ。さみぃならこっちこい」
パチパチっと音をたてて、枯れ葉やら木が燃えだした。
「サンキュー寺兄。
助かるよ」
このちょっと兄貴分なのが寺田。
いつもこうして兄貴的存在なのだ。
三人は火を囲い、三人とも半身を反らすような形で座る。
常に警戒しなければいけない。
そんな状況での休憩だが、こんなときに文句など言えない。
座って休めてるだけでも有り難いと思わなければならないのだ。
「なぁ…佑菜…
水あるか??」
佑菜と呼ばれたのは、三人組唯一の女の子。
今時のギャルみたいな格好だが、中身はしっかりとした子だ。
「保科??
ご希望の休憩はどう?
これで満足?」
ニヤっと笑う。
まったく…嫌みなやつだ。
それさえなきゃ、普通に可愛いのによ。
水を回しのみし、一息つくと保科は
「あぁ満足だ。
そうだ…ちょうどいい。順番に仮眠をとろう」
「それもそうね」
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