-プロローグ-

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「ちょっと俺が起きてるから先に寝ろ」 これは保科の完全な演技。 口に出して状況説明みたいな説明をすることで、相手に自分たちを知らせる。 「保科ぁ…俺もねていあか」 起きた寺田は保科に合わせる。 起きて早々に、状況把握するあたりは素晴らしい。だいぶ慣れている証拠だ。 火が消えると、辺りは本当に静まり返って見える。 まるで世界中が寝てるのかと勘違いするくらいだ。 ゆっくり上がる煙をじっと見つめる保科。 寝ているフリをして、いつでもいけるわよというスタンスでいる佑菜。 寺田もだ。 じっと… 唾を飲み込むことすら、困難なくらいの緊張感。 たった数分間が、何時間にも感じる。
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