夏木立

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      勉強が苦手な俺は、先生にすすめられるまま地元の高校を受けた。     受験シーズンに兄貴の事ばっか考えてた俺は、落ちる覚悟で…というか適当にテスト用紙を埋めてた。             結果合格。俺って凄い。むしろ先生って凄い。             ほんとは高校なんて行かず、兄貴んトコ一緒に住んで働きたかったんだけど、激しく反対されて渋々学生生活続行。         友達も沢山出来たけど、交わす会話は酷いもんだった。       『他校の生徒を何人潰した』とか     『一ヵ月で何人の女子とヤった』とか             高校に上がってからの俺は、喧嘩なんて一度もしていない。     頭にきても我慢すれば済む。俺も大人になったなぁ…。       何より兄貴が心配するから自重してるんだ。                 でも、友達との会話で彼女の話題になると複雑な気持ちになる。      簡単には人に言えない恋人だけど、好き合ってる相手はいる。           なのに、あれ以来俺達は何の進展もない。         なんか…不安になるじゃん。        
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