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「…く…らい」
お化け屋敷の中は薄暗い
俺は鞠矢の服の裾をつかみ歩く
そのとき、背後から
『助けてぇ』
「やっ、なんか聞こえた」
俺は振り返るが誰もいない
鞠矢は、不思議そうに俺をみる
「どうしたの?」
「こ、声がした」
「聞こえなかったよ?」
「聞こえたっ」
『助けてよぉ』
ビクゥ
俺はぎゅっと鞠矢にしがみついた
鞠矢にも聞こえたらしく俺をしっかりと抱きしめてくれる
声に気を取られていたせいか、前からくるお化けに俺たちは気づかなかった
お化けが俺たちの肩を掴んだ
「いっやぁぁあっ」
俺はガクガクと震えて涙を流す
そんな俺をみて鞠矢が俺を抱き上げて、お化けから逃げるように走った
そして、鞠矢の手を握りしめてお化け屋敷の中を出口を目指す
お化け屋敷の半分が終わったぐらいに、更なる恐怖が襲いかかった
俺の足に無数の手が当たっていたからだ
手を俺の足首を掴む
「いやだっ、離せ」
俺は足をふる
俺をみて鞠矢が助けてくれたー…
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