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それから五分くらい経った頃。
「あっ!!」
私は叫びながら勢いよく立ち上がる。
「なんですか?いきなり」
山内君は驚きつつも、迷惑そうに私を見上げる。
「むふふ~。いーこと思いついちゃったっ♪」
私はニヤニヤと笑いながら、机の上に転がっていた黒いマジックペンを手に取り、先生の元へと歩み寄る。
ぐ~……がぁぁ……ぐ~……。
「うん、よく寝てるな」
そう言って私は爆睡している先生にニヤリと笑いかける。
作戦決行だっ!!
キュポッ、キュッキュッキュッ、キュッキュッキュッ、キュゥゥ、キュゥゥ……、ポンッ、パチン。
「あははははっ!!!!」
怪訝な顔つきの山内君が、先生を見る。すると。
「ぷっ……」
おかしさのあまりか、山内君の顔がゆがんでいる。
「せ、先輩。こんなことして大丈夫なんですか?」
「ふふん。大丈夫でっしょ。さぁて、ちょっくら買い物にでも行ってこようかしらん?」
「あ、ならホチキスの針とのりと、コーヒーの粉を買ってきてくださいよ」
「んー、リョーカイッ!!」
そう言って私は、握ったままだったマジックペンを先生のそばに放り投げ、さっさと買い物に出かけた。
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