少年の悟空

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 『しかし悟空、オレとほとんどかわんねぇんじゃねぇか?』頭の上に手をおき、ウーロンがびっくりした様子で身長を比べてみる。『そんなことねぇさ。』心配する周りをよそに『オラそんなに気にしねぇよ。むしろ前より動きやすいくらいだ』と、喋り方までどこか昔に戻ったくらいで、まったく気にしていない。  『孫くん!あなたはいいかもしれないけど、私はあなたを見るたびに自分を鏡で見るのが嫌になるのよっ。』とんだとばっちりである。『ひっひ。ベジータもまったく歳とらないから家でもあんな感じだぜ。』余計なことを言い頭を殴られているウーロンもまったく歳はとっていない。『あ~あ、若返り薬でも開発しちゃおうかしら。』ぼやきながらブルマは家に戻っていった。  あれからほとんど、ゆっくりした時間が流れている。地球に危険を感じさせるものはない。Z戦士達にもついに安息の時間が訪れた。悟空は毎日のようにカプセルコーポレーションや、地球に散らばっている仲間達のもとを訪れている。チチにはよく『まったく、中身まで子供になってしまっただ』と愚痴を溢されている。それでも、悟飯は有名な学者として学会で活躍しているし、ビーデルは元々地球を救ったスーパースターの娘である。一家は何不自由なく平和な時を暮らしている。  『今日は界王様のとこにでも遊びに行くかな』と、わくわくした顔で家を抜け出そうとした時、悟空の頭にある聞きなれた声がした。『悟空、聞こえるか?』
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