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「……は？松田？」
玄関のドアを開けたまま固まった私に、笹川は目を見開いて言葉を発した。
私はというと、頭の中でひとつの戦争が起きてるかんじ。
妄想 VS 現実
みたいな……。
思わず見つめ合った私たちを見て、お母さんが不思議そうに近づいてきた。
「陽菜、知り合いなの？」
「……へっ」
そのお母さんの声で我に返った私は、ようやくフリーズした体を動かし出した。
「や、知り合い、っていうか…なんていうか……」
チラッと笹川を見ると、笹川も目を見開いたまま固まっている。
そんな私たちを見て、お母さんはポンっと手をうった。
「あぁ!!」
「え？」
「あんたたち、付き合ってるんでしょ」
「………な、は、へ!!!?」
お母さんのものすごい勘違いに、私は頬が紅潮するのがわかった。
だってその勘違い、私には都合がよすぎるから。
まあ、未来の彼氏ではあるかもしんないけど!!!
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