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──ガチャッ
「…………」
ゆっくりと少しだけドアを開き、外にいる人を確認しようと顔だけ外に出した。
途端、グイッとドアを全開にさせられて。
驚いてパッと顔を上げれば、そこにいたのは……
「さ、さかわ……?」
にっこり笑う笹川でした。
ほかには誰もいなくて、私は再びフリーズしかけてしまう。
「ね、松田、中入れて?」
「……っ、う、うん」
フリーズした私にいつものように話し掛けてくる笹川。
心なしか、少しだけ不機嫌そうに、でもいつも以上の笑顔で。
なにか危機感を感じた私は、おとなしく笹川を部屋の中へと招き入れた。
────パタン
「……え、と…」
静かにドアが閉まり、私はベッドの上に正座して笹川を見た。
笹川は私の椅子に座ってこちらを見ている。
「あの、お茶、いる?」
「……いらねえ」
「だよ、ね…」
いつもなら笹川と2人きりのシチュエーションに妄想炸裂なんだけど。
今は、笹川がいつもと違いすぎてて変な汗しか出てこない。
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