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「今日から父さんワイハに行くんだ」
いつもとなんら変わりのない朝食中。
父に告げられたのは出張宣言。
つか、いい年してワイハとか言うなよ……
出張はいつものことで、特に気にせず味噌汁に手を伸ばす。
「ふうん。いつ帰ってくんの」
「ざっと1年後」
「………は?」
サラッと告げられた日数に、俺は味噌汁をこぼしかけた。
いや、だって1年って365日だろ?
まあ……
「ひとりでもなんとかなる、かな」
家事できるし。
そう思った時、親父が厳しい顔で声を出した。
「何を言ってるんだ、猛!」
「はあ?」
「可愛いひとり息子をそんな1年間もひとりにできるか!大丈夫!お前は1年、友達に預けるから!」
「…………いや、意味わかんねえ」
なにが大丈夫なのかもわかんねえ。
つか、親父の友達って…俺知らねえし。
「俺に言わずに決めんなよ」
「だって言ったらお前嫌がるしー」
「当たり前だ」
思わずため息がでてしまう。
そんなんだから母さんに逃げられんだよ……
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