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授業中、さっき親父にもらった紙切れをポケットから取り出し眺めていた。
地図の下に書いてあるのは、親父からの伝言。
“DEAR→猛
お前の行くのは準の家だ!
松田だぞ、松田!!
娘さんには手出すなよ!
破廉恥なことするなよ!
FROM→パパ”
なんか突っ込みどころ満載すぎて、何に突っ込んでいいかわからねえ文章だ。
俺が小さくため息をつくと、隣の松田が不思議そうに話しかけてきた。
「どしたの?」
「あ、や、なんでもないよ」
適当にごまかして、俺は再び紙切れに目を向けた。
なーんか、いやな予感すんだよな……
でも行かないわけにはいかないだろう。
まあ、家事しなくていいのは嬉しいし。
そう思った俺は、その紙切れをポケットにしまい込んだ。
□
「………ここ、か?」
放課後、一度家に帰った俺はすでに用意してあった荷物…多分、親父が用意した……を持って“松田家”を目指した。
重たいバックを持ち直し、目の前にある家と地図を見比べる。
周りにある建物もあってるし、ここだな……
そう思いながらインターホンを鳴らした。
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