松田家-猛side-

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そして数秒後、部屋の扉がそっと開けられた。 しかも5センチくらい。 そのことにさらに苛立ちを覚え、ドアを思いっきり引っ張る。 その反動で松田がドアに貼り付いてきた。 そして俺を見ると、驚いたような嫌そうな声を出す。 おおかた、俺じゃなければいいとか思ってたんだろうけど。 そのことに少し呆れつつ、俺はいつものように笑顔で松田に話しかけた。 「ね、松田、中入れて?」 「……っ、う、うん」 冬場に廊下は寒いんだっつうの。 手なんて冷えすぎている。 多少イライラしたまま言うと、松田はびくびくしながら部屋へ俺を招き入れた。 ……なんだ、この部屋。 松田の部屋に入った第一印象はこれだ。 入った瞬間目に入ったのは、どでかいミッキーのぬいぐるみ。 昔、あぁいうぬいぐるみが売ってるの見て “こんなの買う奴いねぇだろ” とか思ったけど、考えを改めさせられた。 ついでに言うと、ぬいぐるみが多すぎる。 こんなにあると…ぶっちゃけキモイ。
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