同居人-陽菜side-

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      □ 「ただいまーっ」 放課後、お母さんの言いつけ通り、ちゃんと家へ真っ直ぐ帰った私。 玄関の取っ手を回すと、いつもは回らないそれがガチャリと簡単に開いた。 そして、中からドタバタとお母さんが顔を出す。 「おかえりっ、陽菜っ」 「う、うん。てか、今日早いね?」 お母さんの勢いに圧倒されながらそう言うと、お母さんはニマーッとした。 へ、な、何……? 「言ったじゃない!今日、人が来るって」 「それって、瑠璃(ルリ)ちゃんとかじゃないの?」 瑠璃ちゃんは私の二つ上のいとこ。 人って言ったら、瑠璃ちゃんくらいしか思いつかない。 私が首を傾げていると、お母さんは右手を口元にあててウフフッと笑った。 「陽菜、お父さんの会社の社長さん知ってるわよね?」 「うん?」 たしか、お父さんの親友だとかいう…… 優しいおじさんだったはず。 あ、もしかして。 「おじさんが来るの?」 それしか思いつかなくてそう言えば、お母さんはふるふると首を横に振った。
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