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そんなお母さんに、思わず眉間にしわを寄せてしまう。
「じゃぁ、誰…?」
もう、何も思いつかない私が聞くと、お母さんは楽しそうに口を開いた。
「社長さんのお子さんが来るのっ」
「……はい?」
お子さん……って…
なんで子どもだけ?
「そ れ で !お子さんは男の子らしいのよっ」
「へ、へぇ…?」
なぜか嬉しそうに私の肩をバシバシ叩いてくるお母さんに、私の首はさらに斜めになる。
とりあえず…
おじさんの息子さんが来る、ってことはわかったけど
………なんで?
そんな疑問が頭の中で渦巻いていた時。
───ピンポーン
軽やかな音を鳴らした、玄関のインターホン。
「誰か、来た?」
「もしかして!息子さんかしらっ。ほら、陽菜出てきてっ」
「へっ?」
なぜかグイグイと肩を押されてやってきた、玄関前。
仕方なしにそこを開ければ、予想しない人が立っていた。
「…笹、川……?」
え、え、なに、なんで笹川がいるの!!!?
私の頭はパニック寸前だ。
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