12人が本棚に入れています
本棚に追加
ここの公園は東西南北と別れ、東は散歩コースやサイクリングコース、東は大きな池、南はアスレチック、北は多目的と考え平野になっている。統護は南口から北口に向かっていた。
『しっかし、夜の公園は本当に薄気味悪いな…』
そろそろ公園の中心の噴水場が見える。
(…噴水場で少し休憩してくか…)
噴水場に着き、腰を掛けた。
『…ふぅ』
一息つく。春になったばかりの冷たい風が頬に当たる。薄い雲で隠れているが今夜は満月、桜も舞い、とても幻想的に想えた。
―――そして、この時、日常は終った―――
『…へぇ…驚いた。こんな場所で人と会えるとは思わなかったわ…』
『…えっ?』
誰かの声がした。統護はすぐに立ち上がり、辺りを見渡す。『あっ』
統護が来た南口から人影が見える。しかし、夜の暗さでよく見えない。
『…誰だ?』
人影が近付いてくるにつれ、合わせるように雲で隠れている月があらわる。そして、次第に人影が見えてくる。
『え、……女?』
人影がハッキリと見えると、統護は驚いた。目の前に現れたのは女だったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!