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「涼太、男2人で行くのもあれじゃね?」
拓郎は携帯の画面を見つめ涼太に言った。
「まあな、暑苦しいしな……。したらあ~、川崎達呼ぶか?」
涼太は、今まで組んでいた腕を離し、ソファーに掛けた。
「ん?川崎って真実(まみ)の事か!?」
拓郎は少しドキッと驚いた口調で顔の血色が良くなった。
「ああ、ダメか?川崎嫌いだっけ?」
涼太は、目の前のテーブルに乗っているリモコンを持ち何気なく、TVの電源を入れた。
「いや、嫌いじゃないよ…。」
拓郎は黙々と携帯を打つ音と小さい声で呟いた。
「あれ、そうだったんだ。お前、いつも川崎に冷たい感じで接してるから嫌いかと思ったよ、それじゃ今呼んでみるからな。」
涼太は、ポッケに入れてあった携帯をとりだし、慣れた手つきで、さっとメールを打った。
「送ったの?」
拓郎は気になるそぶりで涼太に聞いた。
「おう、送った送った。」
涼太は、拓郎の顔みてニカッと微笑み、TVを見た。
「うん、そっか。」
拓郎が言い、それから、沈黙になった。
拓郎はTVの電源を消して、一呼吸おいた。
静まる空気のなか、
大音量の携帯着信音が響いた、涼太の携帯だ。
「電話か!?」
驚いた感じに拓郎が聞いた。
涼太は、鼻の上に人差し指を掲げてシーと合図をした。
ピッと携帯のボタン押し、耳元に携帯をもってきた。
「もしぃ~、今日大丈夫か。うん、まぢで!?わかったあ~。
ん、香(かおり)の事か。わかるわかる。
全然大丈夫だよ。
おーう、拓郎も居るよ。
したら拓郎の家わかる?
そっかあ、
う~んと新道沿いにラーメン屋あるんじゃん。
えーと、東小の近く。
そこの裏なんだよね、おう、わかったょ~。
はあーい。」
ピッと携帯の音がした、携帯の画面を見て、涼太は拓郎を見た、
「川崎大丈夫だって。近くに来たら、メールするってさ、あと木下も来るって。」
「木下って、香か。みんな元中だな」
涼太は携帯を充電器にさして、立ち上がった。
「おい、どこ行くんだ。」
涼太はどこかに向かう拓郎に言った。
「トイレだよ。」
拓郎は、廊下にあるトイレに来た。
― 正直、怖い…だけど。川崎達まで呼んでおいてここで辞めるなんて言えないよなあ…。ここは男くくるしかないか、
でも中3の夏、あれ以来から心霊とか幽霊とか聞いただけで、鳥肌が立つ…。―
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