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ジャー、
ガチャン、トイレが閉まる音と拓郎のため息が聞こえた。
「どうした、拓郎。」
「なんでもないよ。」
少し微笑み、すぐに冷静な顔に戻った。
携帯の着信音が聞こえた。
涼太はテーブルに置いてあった携帯電話を手にとり、画面を開いた。
カチカチとボタンを押す音が聞こえる。
「着いたってさ、川崎達。行くぞ。」
涼太は立ち上がり玄関に向かった。
「おい、待てよ。」
拓郎は慌てて涼太の後を追う、玄関の下駄箱の上に置いてあった、自分の家の鍵と車の鍵をとり靴をはいた、涼太は先に外に出たみたいだ。拓郎も外に出て、家の鍵をかけた。
涼太がアパートの階段を降りる姿が見えた、少し小走りで後を追う。
涼太が手を振っていた、アパートの駐車場に2人組みの女の子が立っていた。
右に見えるのが木下か、相変わらず背が小さい。
けど雰囲気がまったく変わっていた、昔は眼鏡をかけていて勉強一筋て感じだったが、今はそこらにいるギャルと良い勝負だ。
明るくなった感じだ。
「ん」
と拓郎が声を漏らした。
左に見えるのは、あの川崎なのか。
木下より変化が激しい、なんていうか。
凄く綺麗だ、背が高くて上品な感じ、昔と打って変わった。
中3の夏を思い出す…、
あの頃、俺は…。
「おい、拓郎!」
ふっと気が付くとすでに涼太は一階の駐車場に川崎と木下と居た。
「早くしろって、お前が居ないと出発できないじゃん」
拓郎は走って階段をかけ降りた。
「悪い悪い。ふぅー」
拓郎は息を切らして3人のもとに来た。
「てか、拓郎!?メッチャ変わったねぇ~、イケメンになってるじゃん!」
木下は驚いた感じに、最近のギャルなまりがはいりながら拓郎に言った。
「そっかあ?」
拓郎は、深呼吸をし、落ち着かせて言った。
「うん、まじ変わった。」
木下は言った。
「お前もな。」
拓郎は微笑み言った。
拓郎は木下から視線をずらし川崎の方をチラッと見た。その瞬間川崎と目があった、と同時に心臓の脈をうつペースが速くなっているのを感じた。
拓郎は急になにも考えれなくなった。
頭が真っ白になったのだ。
「久しぶりだね、拓郎君。」
なにやら聞き覚えのあるどこか懐かしい声が聞こえた。
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