贖罪の名の下に

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雨が降り続ける…… ザァ―――――――。 止む事がない……いつになれば消える?そんなものは分からない…天しか知らない… 元旦…この日通夜が行われた後だ。一人の少年の母親が亡くなった。原因は交通事故。相手はトラック運転手。もちろん捕まった。 「……………」 少年は動かない母親を見つめる。少年の名は峰倉十夜。小学6年生。ここにいる母親はもう名前を呼んではくれない… 「十夜…自分を責めるんじゃないぞ…」 男が少年を呼ぶ。男は峰倉正樹。少年の父親だ。 「……………」 返事はしない。死んだような目で母親を見続ける。 「父さん、まだやる事があるから。ここにいるんだぞ」 そして去っていく。 「僕のせいで…僕が病気にならなかったら…こんな事には…こんな事には…」 少年の目から涙が落ちる。後悔と反省の涙かも知れない。 周りの人間はみな少年のせいにする…我が儘だと…それをヒソヒソと話をしているのを嫌と言うほど聞いた。だから少年は心を閉ざした。 「誰とも仲良くならないで一人で生きて行けば迷惑は掛からないかな…」 そう自分に言い聞かせた……もう誰とも関わらないと…… そして数年の月日が流れ、高校生になった…それからまた変わっていく事になる……生き方が……
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