108人が本棚に入れています
本棚に追加
言い終わると彼女は超然とした態度で僕の目の前に立つ。蒼空の眼差しを真っ直ぐにこちらへ向けて……
世界の根底?見届ける存在?それは何だ?それに……
「アイーシャ?」
僕はその名に聞き覚えがあった。でも、それは一体、どこで聞いたのか、何だったのかは覚えてはいなかったけれど……
「キミは?」
「オ、オレは智広。永瀬 智広だ。」
名を聞かれて僕は名乗る。そして、その名を聞いたアイーシャは、何故か、一度、驚いたような顔をしては、ぼうっとした無表情に変わり、僕のことを見つめてきた。
そのぼうっとしている姿は、まるで本物のお人形さんのようだ。
「なんだよ。」
何、じっと見てるんだよ。
「永瀬 ともひろ。」
それは、とても棒読みな感じ。
まるで何かを確かめているかのような、そんな感じだった。
「ん?そうだけど??」
僕の名が一体どうしたというのだろうか?
「そっかぁ、よろしくね!ともひろ!」
最初のコメントを投稿しよう!