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何が「そっかぁ」なのかは知らないが。アイーシャは、そう言って、一瞬でパァッと花が咲いたかのように満面の笑みを僕に向けた。
「ん?あ、ああ。」
僕はそんなアイーシャを見ては訳も分からず、キョトンとして適当な返事を返した。
何なんだよ?一体、この子は?よく分からない子だ。でも、いいか。なんか可愛いし。
てか、萌え?ボクっ娘だしね。ポイント高いね。
「ん、どうしたの?顔赤いよ?」
いかん、そんなに顔に出ていただろうか?
「い、いや、なんでもないよ。」
「本当に?」
「もちろん!」
僕がそう言うと、アイーシャは、「そっか」と小さく呟いて、くるっと、後ろの方に向き直った。
アイーシャ?
アイーシャは喋る事無く、ただ、空を見上げる。
この紅い空を……
その姿はとても小さく、誰かが支えていないと消えてしまいそうで……
儚い……
そんな気がした。
「アイーシャ。」
僕は呼んだ。彼女の名を……さもないと彼女がこの血塗られた紅い空の中に吸い込まれてしまいそうだったから……
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