プロローグ2~穢れなき無垢の純白~

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「ねぇ、ともひろ……世界が、もし、自分の思い通りに操れるとしたら、どうする?」   世界が、自分の思い通り? 考えたこともない。そんなの阿呆の吐く妄言だ。世界はただ常に平坦で、何もかもがありふれていて、ただ苦しいのだから……この世界に都合の良い事など存在しない。世界はそう出来ているのだから……なのに……   「世界を操るだって?いきなり何を言っているんだよ?お前は……」   「そうだね。無論。ボクも、そんなこと出来るだなんて本気で思ってはいないよ。ただ聞いてみたかっただけ。ごめんね。突然、変なこと聞いて……」   「いや、別に謝ることはないさ」   「ねぇ、ともひろ……」   アイーシャが何だか弱々しい声で尋ねてくる。   「何?」   僕は聞き返した。   「幸せになれるといいね」   「ああ」   本当にそうなれたらいい。   「また会おう。ともひろ……」   「ああ」   そうだな。アイーシャ……   僕は空を見上げる。   空はただ、ひたすらに紅い。   痛々しい程に……   まるで空が血を流しているようだ。   僕にはそれが一体、何故なのか分からないのだけど……   空はただ、ひたすらに紅かった……
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