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一階に降りて気付いたこと。
其の一、一階も二階と同様、真っ暗だった。
其の二、誰も居なかった。
其の三、飯が無かった。何一つ、米一粒すらも、だ。
これは、一体、どういう事なのでしょうか?
おっかさんは、僕に飢え死にしろと仰っているのでしょうか?
というか、母は何処へ?
ちなみに父は、もう既に天の国へ旅立っていらっしゃる。まあ、理由はカクカクシカジカであまり口にはしたくなかったりするのだが。
僕がまだ幼い時、仕事で家を出るなり。
「行って来るねー。マイスウィートハニー、かっこ、はあと、かっことじ。キミの為なら、例え、天国だろうと地獄だろうと何処へだって行ってやるさー、かっこ、はあと、かっことじ。」
それは「行く」じゃなくて「逝く」の間違いだろ。てか、それ、普通に死にます。とか、幼い僕にそんなツッコミなど出来るはずもなく。
「行ってらっしゃーい。」
対する母。
「気を付けて行ってくるのよ。」
そして―
その日。
父は本当に旅立たれた……
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