プロローグ3~真夜中のオンライン~

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一件目、それは母から。   「智広。今日、お母さん、お仕事遅くなるっていうか、今日は泊まっていくから、帰りは明日になると思うの。それでね……あ、そうそう、仕事場に行く途中、結構、洒落たレストランがあったのよ。だから、今度……省略。それから、それから、洋服屋が近くに出来たみたい……省略。あと、アロエはー……省略。心太は体に……省略。犬……省略。あ、言い忘れたけど、夕飯は、冷蔵庫の中に昨日のシチューの残りがあると思うから、適当に温めて食べてね。じゃ、お仕事、頑張ってくるねん☆」   長い。しかも、こんな文字数あって、大事な所は最初と最後の部分だけかよ。しかも、話に全く脈絡がねぇ!!犬とかアロエとか心太とかは一体、何なんだよ!!しかも、何ゆえに最後だけ関西弁?しかも☆ですかいなー!!   僕は、思わず携帯を床に叩きつけたくなるような衝動を寸前の理性で押さえつけた。   危ない。危うく携帯を破壊してしまうところだった……   しかし、つくづく思うね。我が母者を心配するほどの愚かな行為は他に無い、と。   まぁ、とりあえず、飢えだけは凌げるようだ。
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