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立ち並ぶ建物はどこかの中世の国を思わせる白い石造り。その建物の中央には花に囲まれた噴水がある広場。
通称「精霊広場」
人々はその広場の周りを取り囲むかのように、戯れ、あるいは相談、またあるいはアイテムのトレード等と様々なことで賑わっていた。
そして、その人混みの中、一人、ポツーンと突っ立っている少年がいた。
それは、まるで突然知らない土地で親と離れ離れになってしまった子供のように……
身長は大体150㎝ぐらいで小柄な体格。頭には耳まで隠れる程の大きな茶色の帽子を被り、帽子からはみ出る金髪は肩まで垂れて、その体は茶色のローブで身を包んでいた。手には、木で作られた杖が握られている。杖の上部先端部分には赤い宝玉が埋め込まれ、長さは自分の背丈の半分ぐらいだ。
その姿は、まるでアニメかゲームの魔法少女のようだった。とても男とは思えない程の美少年だ。
「ふむ、オレにしては、なかなかの出来かな?」
僕はその美少年を眺めては、満足気にそう呟いた。
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