第一章~蒼き魔獣と白き少女~

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「すると、そこにはいた。巨大な、ニメートルはあるだろうというその大きな、はち切れんばかりの筋肉の塊が……それは、人のような姿をしている。しかも、頭には赤い毛のようなモノが炎のように逆立ち、目はギラギラと金に輝いていている。口もあった。鼻も確かにあった。確かに人だった。そのような形。それらしき部位がある。だが、これを本当に人と呼ぶべきか、否か。これを人と呼んでしまったら、一体、人とは何なのか?人の定義とは?そう、これは人じゃない。人なんかじゃない。人なんかじゃ……!!」   誠二「って、おい!!落ち着けって!何、一人でナレーションしてやがる!!てか、俺は正真正銘、人だぁぁっ!!」   「喋った、だと!?この宇宙生物、てか、生物なのかも怪しい物質が!!」   誠二「落ち着けよ!智広!俺が分からないのか?俺だよ、俺。田中 誠二。そこのテキストにも、そう出ているだろ?」   田中 誠二……あっ!その瞬間、僕の中で何かが閃いた。   「お前、田中か!」   誠二「田中と呼ぶな!誠二さんと呼びなさい!てか、気付くのおせぇーよ。」
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