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とある恋愛アドベンチャーゲームでは、こんな時期。
ああ、そうだ。高三の夏だ。
その夏に主人公の許に一人の転校生が来るんだ。
ああ、無論。この進路で糞忙しい時に転校生というだけで、有り得ないのだが。
その転校生、神無月 春花たんは、実は主人公の幼馴染。んで、もって、主人公を追いかけてやって来たというから、馬鹿げた話だ。そして、なんだかんだで、主人公の周りには女の子がいっぱい。主人公モテモテ。やったね。
って、無い。
ぜってー無い。
阿呆くせ。有り得ないだろよ。ふつー、そんなの。
事実。僕のクラスに転校生など来たこと一度もないし。
事実。僕の通う高校には、なかなかレベルの高い女子が結構いたりするのだが、悲しい事に、それはいつも高嶺の花。見ているだけで、話す機会などそんなに無い。
ましてや、ギャルゲーのように彼女らが勝手に話しかけてきて、僕の頭に勝手に選択肢など浮かぶわけもなく。何かしらのイベントのフラグが立つことも尚更無かった。
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