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「で?田中。これからオレ達はどこへ行けばいい?」
そう、僕は誠二に連れ(拉致)られ、泣く泣く街を飛び出したはいいが、目的地は勿論、何をしたらいいのかすら全く分からなかった。
だが、その問いに対し誠二は。
「だから、田中と呼ぶなよ!誠二さんと呼びなさいよ!何度も言うようだが、ここ(ネット)では俺の名は誠二っていうんだよ!だから、誠二と呼べよ!この野郎!!」
相変わらず、自分の呼称にこだわる嫌なヤツだった。
つーか嫌だ。誠二って言うと、なんだかカッコ良さ気だから、なんだかムカツクのだ……だから、誠二は悪魔で心の中での呼称。絶対、口には出したくないね。
「だから、お前は田中なんだよ……」
そう言って僕は、わかってねぇなぁ、と肩をすくめた。本当、わかってねぇ……
「いや、意味わかんねーからな。」
「とりま、ダンジョンらしき洞窟が前方約50㍍程先にあるのだが、逝ってよし?」
「って、無視かい……ダンジョンね。別にいいんでは?」
テキトーに答える誠二。
「OK。兄者。」
僕はそう言って、誠二に向かって親指を立てた。グッジョブ!
「何故、兄者なんだ……」
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