第一章~蒼き魔獣と白き少女~

8/34
前へ
/192ページ
次へ
「で?田中。これからオレ達はどこへ行けばいい?」   そう、僕は誠二に連れ(拉致)られ、泣く泣く街を飛び出したはいいが、目的地は勿論、何をしたらいいのかすら全く分からなかった。   だが、その問いに対し誠二は。   「だから、田中と呼ぶなよ!誠二さんと呼びなさいよ!何度も言うようだが、ここ(ネット)では俺の名は誠二っていうんだよ!だから、誠二と呼べよ!この野郎!!」   相変わらず、自分の呼称にこだわる嫌なヤツだった。   つーか嫌だ。誠二って言うと、なんだかカッコ良さ気だから、なんだかムカツクのだ……だから、誠二は悪魔で心の中での呼称。絶対、口には出したくないね。   「だから、お前は田中なんだよ……」   そう言って僕は、わかってねぇなぁ、と肩をすくめた。本当、わかってねぇ……   「いや、意味わかんねーからな。」   「とりま、ダンジョンらしき洞窟が前方約50㍍程先にあるのだが、逝ってよし?」   「って、無視かい……ダンジョンね。別にいいんでは?」    テキトーに答える誠二。   「OK。兄者。」   僕はそう言って、誠二に向かって親指を立てた。グッジョブ!   「何故、兄者なんだ……」
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加