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暗い……闇の中だ。
僕はそこにいた。
辺りには獣の牙のような灰色の氷柱が何本も突き出ている。それは、天井と床との両方から。
ここは、鍾乳洞である。
目の前には、緑色のゼリー状の物体が五体。こちらを囲むようにして、その汚らしい黄色の目をギラギラと輝かせていた。
「早速、お出ましかよ……」
僕はそう呟いては、持っていた木製の杖を正段に構える。
さぁ、どんな奴だか知らないけど……来るなら、来い!真っ向から迎え撃つ!
空白の時……
刹那。正面のゼリーが、一瞬、ぶるりと震え上がっては、こちらへ飛び込んで来た!!
「キェェェェェェッ!」
ゼリーの奇声!
「うぉぉぉぉぉぉっ?!」
負けじと僕も気合いを発する!
そして――
ビュン!
その来るタイミングを見計らい、杖を前に叩き込んだ!!
ザン!
攻撃命中のエフェクト!
だが、そのゼリーは僕の一撃に怯むことなく一直線に突っ込んでくる!!
「何でだよ!」
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