第一章~蒼き魔獣と白き少女~

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「何でだよ!」   理由は簡単。   ダメージはゼロだった……   そのディスプレイに表示された、哀しい数値を見ては思う。自分、弱っ!!   「ぐはぁっ!」   気付けば、僕は吹き飛ばされ、体力のゲージはもう赤く点滅していた。   「どうするよ?オレ……」   「阿呆か!?お前は!」   突然、後ろからの声。   直後。   ズドォォーン!   その爆発音と共に消え失せるゼリー。残り四体。   そして――   「テメーは呪言使い(スペルユーザー)だろうが!打撃をしてどうする?!」   そんな説教と共に大男が現れた。   「遅いぞ、田中……」   「だから、誠二さんと呼びなさいよ!」   「で?どうすればいいんだよ?」   「また無視っすか……まぁいいけどよ……」   誠二は実に気落ちしたような態度(僕にとっては最高に気分が良い態度)を取っては、説明を始める。   「お前は、呪言使い、つまり魔法系のキャラ。後方支援役なんだ。もとより接近戦はお前に向かん。むしろ自殺行為なんだよ。防御力、紙だしな。」   「神なのか……」   それは凄いな。自分にそんけー。   「いや、同音異義語だからな。紙みたいにペラペラの防御力って事だよ……」
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