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「何でだよ!」
理由は簡単。
ダメージはゼロだった……
そのディスプレイに表示された、哀しい数値を見ては思う。自分、弱っ!!
「ぐはぁっ!」
気付けば、僕は吹き飛ばされ、体力のゲージはもう赤く点滅していた。
「どうするよ?オレ……」
「阿呆か!?お前は!」
突然、後ろからの声。
直後。
ズドォォーン!
その爆発音と共に消え失せるゼリー。残り四体。
そして――
「テメーは呪言使い(スペルユーザー)だろうが!打撃をしてどうする?!」
そんな説教と共に大男が現れた。
「遅いぞ、田中……」
「だから、誠二さんと呼びなさいよ!」
「で?どうすればいいんだよ?」
「また無視っすか……まぁいいけどよ……」
誠二は実に気落ちしたような態度(僕にとっては最高に気分が良い態度)を取っては、説明を始める。
「お前は、呪言使い、つまり魔法系のキャラ。後方支援役なんだ。もとより接近戦はお前に向かん。むしろ自殺行為なんだよ。防御力、紙だしな。」
「神なのか……」
それは凄いな。自分にそんけー。
「いや、同音異義語だからな。紙みたいにペラペラの防御力って事だよ……」
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