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プロローグ1~ただ、ひたすらに憂鬱~
日の暮れたいつもの並木道。
通い慣れた道。
全てが赤に染まり、大地に黒が伸びる夕焼け空の並木道。
この風景を眺めて、もう三年か……
最後の部活を終えて、もうすぐ最後の夏休みが来る。夏休みになれば、就職活動とやらが来て、夏が終わり秋が来れば、進学とやらが始まるのだろう。遊んでいる暇は無いし、遊ぶ気も毛頭無い。
そろそろ自分の進路について、いろいろと準備を始めなければいけなかった。
それは、生きていれば、誰でも体験する、極々自然な流れであった。そう、そこには悩みもあれば、苦しいこともある。だけど、別にそれは、ドラマチックでもなければ、特別なことなど、微塵もない。極当たり前の、自然な、普通の出来事だ。
そうやって人は、普通という流れの中に飲み込まれ、大人になって死んでいく。そして、その子供がそれを繰り返す。何も変わらない。何も起こらない。平凡たる世界。
つまらない。
ああ、なんて、つまらない。
なんて糞みたいな世の中だ。
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