春風

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辺りを見回している俺の後ろで先生が話しをしている。 「これもしかして山田じゃないか?」 『山田・・・』 俺は一瞬、心臓が止まったかと思った。 「山田?」 振り返り、先生に問いかける。 「あぁ2年で行方不明になっている女子生徒だ」 まさか… 「先生写真ありますか?」 慌て聞くと 「あぁあるぞ教務室来い」 先生に言われ、大人しく着いて行く どうか別人であって欲しいと願いながら 教務室に着くと 「これだ」 写真を出し、山田という女子生徒を指差す先生 それから先生は直ぐに他の先生を集め、再び外へと出て行った。 目を疑った。 山田だ・・・ さっきまで一緒に居た 一緒に球根植えていた 山田がそこに居た。 世界で独りぼっちになった気分だ 先生が誰一人居ない教務室がその気持を更に煽る 俺は、そのまま走って学校を飛び出した。 数日後。 事のしだいを風の噂で聞いた。 本名は山田水樹 その女生徒は、同じクラスに付き合っている彼氏がいたらしい だが彼氏と別れ話でこじれあの場所で殺害された。 いうもの だからあんなに必死に指輪探してたんだ…
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