春風

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俺は未だ状況がつかめず、確かめるように彼女の名前を呼んだ。 「何?」 帽子を取り、可愛い顔で聞き返して来る山田 間違いない山田だ。 あれ程会いたかった山田が目の前に居るんだ 「お前何してんだこんな所で!」 正気に戻り慌て聞く 良く考えると変な質問だ 「何でって? 花見しよって言ったじゃん」 当たり前の様に言う山田 「いいのか山田さん アンタ死んでんだろ?」 ぶっきら棒に言う俺 そんな俺に 「何言ってんの?」 と言い、顔を傾げる山田 「それ私のお姉ちゃんの話しでしょ」 当たり前の様に言う 「は?」 俺は意味が分からず聞き返す。 「双子なんだ私」 ニコッと笑顔で何でも無い様に言う山田 「え?だって山田って…」 脳内をカナリ混乱させながら聞く俺 「苗字なんて家族なんだから同じに決まってるでしょ」 クスっと笑う山田 「え? でっでも山田が双子なんて先生何も…」 頭を真っ白にしながら山田を質問責めにしている俺 「違う学校だもん」 「制服うちのじゃん」 「姉のスペだよ。 この学校、他校の生徒入れないじゃん。 だから下校狙って人混みに紛れて入ったんだよ」
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