春風

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成程、それで帽子深く被ってた訳か 姉さん知ってる人に見られたらヤバいからな もちろん先生に見られてもヤバい訳で だから帰ったんだな 「なんだよ! なら名前ぐらい教えてけよな」 ハァとため息を吐くと 「だってアタシ女子高で男子苦手で」 苦笑いする山田 「何ですぐ姿見せないんだ!」 軽く怒ると 「いやぁ竜哉がウチを姉と間違ったら面白いかなっと…」 エヘッと可愛いらしく笑う山田 「おまっ狙ったのか! てぇか面白くない!」 俺は激怒しながら叫ぶ 「ごめんって! アタシが居なくて寂しかった?」 「笑いながら聞くなよ! 寂しかったよ」 顔を赤くして言う俺に 「姉がね、あの日ここで探してって言った気がしたんだ。 だから姉さんがアタシ達を合わせてくれたのかな」 急に真顔で言う山田 「なら姉さんにお礼いわなきゃだな」 思わず柄でも無い事を口走っていた。 「ところで山田の本名は?」 「梨和(りお)だよ」 桜とチューリップが綺麗に咲き乱れていた。 終 →後書き
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