春風

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俺は、気になって聞いてみる。 こんなに必死で探しているんだ きっと大事な物なのだろう 「えっえっと…とっても大事な物なの」 オロオロしながら答える彼女 なんだか可哀想になってきた。 「しょがねぇ手伝ってやるよ」 ニィと笑って言うと 「えっ悪いよ」 慌て立ち上がり、顔を横に振るその子 「うーん」 俺は少し考え 「あっ!なら先に俺の花壇整備手伝えよ。 なら良いだろ」 思い着き、笑顔で提案する。 これならお互い様だ 彼女は少し考える仕草をして 「分かった」 と顔を上げた。 帽子で表情は解らないが、口元が笑っているのが見えた。 「よし!宜しくな 俺は竜哉アンタは?」 今更だか俺の名前は竜哉である。 「私は山田宜しく」 明るい感じに言う山田 「何で明日字だよ」 珍しいと思い、突っ込む。 「だって皆が苗字で呼ぶから」 当たり前の様に返す山田 まぁ別に良いか。 「よし、じゃあ山田やるぞー! 」 俺は言うなり腰を下ろし、花壇の草を抜き始めた。 それを見てクスと笑い山田も草を抜きだしす。 山田が居たお陰で思ったより早く片付いた。
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