春風

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「サンキュー次は球根植えよう」 球根を半分山田に渡した。 シャベルを山田に渡し、自分はもう一本、用具室からシャベルを持って来た。 球根を植え始めると 「ねぇ」 いきなり山田に話かけられ振り向く。 「何?」 聞き返すと 「何年?」 イキナリの質問にちチラッと山田のリボンを見る。 青色 「山田と同じ2年だよ」 うちの学校は学年でリボンの色が違うから直ぐに解る。 「え!? じゃあこの学校で行方不明の人が居るの知ってる?」 何故か帽子を更に深く被り聞いてくる山田 「あぁ確かに居るな 2年だっけ? まぁうちの学校クラス多いし、あんま分かんねぇけどな」 少し考える素振りをして答えると 「そっか」 なぜか安心したように言う山田 「何で?」 不思議に思い聞いて見ると 「何でもない」 山田は球根を植えながら、そっけなく答えた。 何だろう 気になるじゃんか にしても、山田はやっぱ色々おかしい。 大体まず帽子からしておかしいし 苗字しか教えてくれないのも変だと思う。 俺は、いろい不思議に思いながらも『きっとプライベートな事なのだろう』とそれ以上追求するのは辞めた。
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